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Re: 空虹さん
- たなか
2020/06/25 (Thu) 13:48:12
たなかです。
空虹さん、返信ありがとうございます。
先のエントリで書こうかどうしようか迷った挙げ句、書かないことにした件に、
ちょっと掠っているような気がしたので、しつこく返信してみます。
> ある種映画的な、物語構造の視覚化
んん。作品の見た目、ということですよね? タイポグラフィではなく?
ごめんなさい、ちょっと意味を捉えかねました。
ただ、空虹さんとたなかとのあいだの齟齬は、「音」の強さにあるのかな、とも思ったので、
先に挙げた「書かないことにした件」を書いてみようと思います。
あちらこちらでよく話題にされることなので、
今さらと思われる方も多くいらっしゃるように思いますが、
文字で書かれたものをどう読むか、という話です。
もっと言ってしまえば、読む速度の話が根幹の話なんですが、
ここではそれは関係ないので、触れません。
空虹さんが言及されているのは、文字を視覚情報として捉える、ということかなと思うんですが、
合っていますか?
で、たなかの場合なんですが。視覚情報としても確かに捉えているんですが、
自分はそれよりも何よりも、文字を読むときに「音」の力が強いです。
つまり、読んでいる際に、脳内で、文字に対応した「音」が再現されるということです。
で、自分にとってはたぶん、この「音」の力が非常に強い。
視覚情報をかなり軽く考えてしまうぐらいに、自分にとっての「音」の力は強いのだろうと思います。
今作についても、「音」についてはかなり気にしていました。
というか、リフレインを多用する作品を作る際には、自分は「音」を、いつも以上に気にします。
視覚的なことも考えはするんですが、
それは、リフレイン内に、同じ語と、似ているけれども異なる語とを、どういうふうに配置するか、
というところに意識が向いているのであって、
たぶん空虹さんが仰っているような「映画的な物語構造の視覚化」には、
重きをおいていないと思います。
ただ、他の方が書かれた、そこを前面に押し出すような作品であれば、
やはりそのことは意識しますし、出てくる感想もそれにまつわるものになると思います。
その辺は個々人の得手不得手もあるだろうし、
そもそも「つくりたいもの」が異なるということでもあるのかなと思います。
自分が視覚情報に疎いことはわかってはいるつもりなんですが、
そこはやはり、指摘されないと見えない部分が大きいものだなと、あらためて感じました。
読み手によって同じ作品の評価がかなり変わるのも、内容にまつわる点も当然あるのだろうけれども、
元もとの読み方が異なることも多いのかなとも思ったり。
Re: Re: 空虹さん
- 空虹桜 URL
2020/06/27 (Sat) 00:50:02
なんだか、たなかさん独り占め。
やったー!
でも、超面白い話をはじめてると思うんですけどね。
> んん。作品の見た目、ということですよね? タイポグラフィではなく?
> ごめんなさい、ちょっと意味を捉えかねました。
えと、アタシが誤認してるだけかもしれないですが、
「タイポグラフィ」って、
別にアスキーアート的なのだけを指さないですよね?
あっ、ここでアスキーアートと書くのも語弊を招くか。
Wikipediaのリードには
> 活字(あるいは一定の文字の形状を複製し反復使用して印刷するた
> めの媒体)を用い、それを適切に配列することで、印刷物における
> 文字の体裁を整える技芸である。
と書いてるので、そこまで間違ってはない認識ですが・・・
この辺、厳密さを欠いてるかもしれないから、
「一義的」とも書いたけど、解釈がブレるのはアタシのミスです。
実際のところは、たぶん、エディトリアルデザインの方が適切かな?
> 空虹さんが言及されているのは、文字を視覚情報として捉える、ということかなと思うんですが、
> 合っていますか?
はい。あってます。
話芸ではなく文芸(って言葉は嫌いだけど)なので、
インタフェースは視覚だという認識です。
> それは、リフレイン内に、同じ語と、似ているけれども異なる語とを、どういうふうに配置するか、
> というところに意識が向いているのであって、
> たぶん空虹さんが仰っているような「映画的な物語構造の視覚化」には、
> 重きをおいていないと思います。
上記引用は、もしかしたら誤謬を含むかもしれないけど、怖れず。
はやかつさんの「Moments Musicaux」で喋ってますけど、
拙策はすべて、空虹桜が朗読する前提で句読点を打っています。
なので、「音」に対しての意識はたなかさん程ではないかもしれないけど、
ある程度はあるつもりです(しかし、実は呼吸の方が適切かもしれない)
とはいえ、生理でないところで読点を打つことはあって、
・漢字/ひらがな/カタカナがならびすぎている時
・上の行と下の行で、読点が同じ位置に来る時
なのです。
どちらもアタシが読む時に読みにくいから、避けています。
上の行と下の行で読点が同じだと、
目が滑るというか、どこ読んでるかわからなくなるんですよね・・・
逆に、それを避けない時は意図的です。
アタシとしては、リフレインが意図的に読めたので、あの選評でした。
ラップの歌詞カードを見過ぎなだけかもしれないですが。
> そもそも「つくりたいもの」が異なるということでもあるのかなと思います。
たぶん、ここだと思います。
正確には「書きたいモノ」と「読みたいモノ」のギャップかなぁ。
そもそも、アタシ自身の中で
「書きたいモノ」と「読みたいモノ」は一致してないですし。
殊、超短編に関しては。
加えて、アタシの中で、超短編はもうすこし現代アートというか、
インスタレーションに漸近すべきでは?という意識もあります。
なぜなら・・・
> 読み手によって同じ作品の評価がかなり変わるのも、内容にまつわる点も当然あるのだろうけれども、
> 元もとの読み方が異なることも多いのかなとも思ったり。
うん。全面的に同意ですし、そこが面白さだと思ってます。
なので、選評が一番超短編的で面白いです。
朗読が面白いのも、そこに各人の読解があるからだし。
以下余談。
卑屈なのかもしれないけど、
超短編界隈で「空虹桜」って舐められてるという自己認識です。
もちろん、舐められた方が有利なので、
意図しているところですし、望むところなのですが。
権威にも大御所にも体制にも多数にも常に中指立てたいし(笑)
超短編なのに超わかりやすい話を書き倒しますよ。ええ。
Re: Re: 空虹さん
- たなか
2020/06/27 (Sat) 08:33:37
空虹さん、返信ありがとうございます。
なるほどなぁと思って読みつつ、ところどころ、んん? と思うところがあったので、
後者のほうにだけ焦点をしぼって書いてみます。
まず、「音」に対しての意識について。
たぶん、わたしのもっている「音」は、空虹さんほど意図的なものではないです。
超短編に限らず、文章を読む際に、それを頭のなかで音読するかどうかというだけの、単純な話です。
逆にだから、
音読できない言葉(難読漢字や発音がわからないアルファベットの羅列など)を目にすると、
自分は極端に読む速度が落ちます。意味を捉える捉えない以前に、音読できないから読めないのです。
なので、無理くりその文字に音を当てはめて、やっと読めるようになります。
そういう話なので、たぶん、空虹さんの仰っているような「音」への意識は、
わたしにはむしろないと思います。
次に、エディトリアルデザインについて。
> 自分は書く際には、
> どの媒体でどう組んで読んでもらってもいいようにというのが何より先にある
先のエントリで、上のようなことを書きましたが、
これがそのまま空虹さんへの返答になるのではないかと思います。
ついでに、なぜ空虹さんとわたしとのあいだに齟齬が生じたのかについても、
ひとつ思いついたことがあります。
空虹さんは心臓への投稿作品を、心臓サイトの組み方をそのまま手元で再現して作成してはるんですね?
で、わたしはというと、
そもそも心臓の作品一覧はメールマガジンで受け取っていたテキストファイルで、
サイトでの組み方とは折り返し位置が異なっていました。
なので、敏感になりようもなかったのです。
加えて、自分が創作するときにはほぼテキストエディタを使用するので、
さらにそのあたりの感覚は小さいです。
特に初期は同じ作品が別サイトに再掲されることも多かったので、
ひとつひとつ気にしていたところで意味がなかったということもあります。
現在はメールマガジンはその機能を失っていますので、わたしもサイトで確認しますが、
読むときはテキストをエディタにコピペして読んでいるので、
空虹さんが意識を払っておられる読点の位置は、実はわたしには何の影響も与えておりません。
申し訳ないです……
視覚作品として発表されている超短編作品は少なくないですし、自分が目にしても面白いと思います。
デザインが作品として一体化していて切り離せないものであれば、そういう作品になると思いますし。
ただ、わたしは基本的には文字情報は文字情報として捉えるので、
文字が並んでいるだけの作品であれば(デザインの重要性が低い作品であれば、かな?)、
それをテキストファイルとして読んでしまうと思います。
今はデザインに敏感な方が多いでしょうから、わたしの読み方はかなり特異なのだろうと思いますが。
特異というか、古いのかな? その辺はちょっとわたしにはわからないですが。
Re: Re: 空虹さん
- 空虹桜 URL
2020/06/28 (Sun) 22:07:49
念のためですが、
「自分はどうだ」という話をしているだけで、
他者に「だからどうするべきだ」とか、
強制したいわけじゃないですからね。
書く人にも読む人にも、多様であると。
「2人は違う人間だから 一緒にいられるの」
って、永井真理子だ!(古)
さてさて。
たなかさん、お返事ありがとうございます。
一口に「音にする」といっても、やっぱり違うもんだなぁ。
というのが素直な感想で、
他の人はどうなのか?知りたいなぁ。って思いがあります。
あと、アタシの印象としては、
たなかさんの方が、文章に対して忠実というか、誠実なのかなぁと。
この辺はあくまで印象なので、語弊を含むかも知れませんが。
で、一点、このままだと過剰になりそうなところだけ訂正。
> 空虹さんは心臓への投稿作品を、心臓サイトの組み方をそのまま手元で
> 再現して作成してはるんですね?
さすがにそこまではしてないです(自己矛盾?)
アタシもたなかさんと同じで、
エディタで書いてエディタで読んでます。
もうちょっというと、いずれもスマフォのエディタなので、
画面サイズはより小さいです。たぶん。
ただ、出だしの20文字ぐらいに注意をすれば、
あとはだいたいなんとかなってる印象です。
あと、
> 空虹さんが意識を払っておられる読点の位置は、実はわたしには何
> の影響も与えておりません。
って、たなかさんがお書きになってるのを読んで、
自分が気にしてることなんて、
結局は自分のためでしかないんだよなぁなどと。
Re: Re: 空虹さん
- たなか
2020/06/29 (Mon) 05:29:10
空虹さん、何度もありがとうございます。
> 自分が気にしてることなんて、
> 結局は自分のためでしかないんだよなぁなどと。
どうなんでしょ。漢字とかなのバランスや、句読点の位置などは、
読みやすさを考えると、気を配るほうがよいことだろうと、わたしも思います。
ただ、オンラインで表示されるテキストは、それぞれの環境によって、
書き手の意図とは異なる表示の仕方をする場合があるのも事実なのかなと。
自分はかなり目が悪いので、ブラウザで表示される文字のフォントをかなり大きめにしていて、
かつ、自分の好みで、等幅フォントを採用しているので、それだけでもう、
デフォルトのフォントで読んでいる方とのあいだで齟齬が出てしまっている可能性があるのかなと。
デザインをより重視するのであれば、サイトデザイナーの方が級数や組み方を指定してしまうとか、
そもそもの投稿をテキストファイルではなくて画像ファイル等でも受けつけるようにするとかいう、
土台の組み替えが必要なんではないかと思います。
↑心臓が始まった当初はともかく、今は技術的に困難なことではないですよね? たぶん。
(そもそも、わたしのサイトデザインに関する知識は、今やもう化石ですし……)
でも、そうすると、それはそれで、投稿サイトとしての性格が変わっちゃったりするのかな。
(管理人の峯岸さんの面倒については棚に上げた話なので、あまり現実的ではないようには思います)